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留置所黙示録

2014年3月末日児童ポルノ買春及び児童ポルノ法違反で家宅捜索されました。書類送検されたあと8月某日に傷害で逮捕されました。トップ絵はクジラックス先生からもらいました。※なお当ブログは犯罪の抑止のためのブログです※

拘留3日目-地裁で女裁判官のブラ紐を見ている間に拘留延長が決まった

2日目長い一日を終え僕は警察署に戻ってきた。留置所に入る前に身体検査を受けてまた檻がある部屋に戻ってきた。1日目はあれだけ不安しか感じなかった場所が何故かこの日はようやく戻ってきたという一抹の安心感があったのが不思議だった。

入った瞬間にまた入口のすぐ近くにいた兄ちゃんが「チコリータチコリータ」と叫んでいた。この人ポケモン好きなんだな~と思っていたらチコリータと叫んでいた兄ちゃんが僕に「お疲れ様です!」と挨拶をしてきてくれた。どうやら好青年のようだ。

人見知りの僕は「あ、どうも」という感じで軽く頭を下げて自分の房に戻った。

そのまま疲れたから房に戻り倒れこむように床に寝転がった。ら丁度晩飯時だったのかまた留置所で爆音が鳴り響く、この日の音楽は安室奈美恵だった。僕が地検帰りで疲れているからだろうか、T森さんはあまり口を聞かなかった。

ただ寝る前に布団を敷いてT森さんに明日はどういうことをするのかと聞いてみた。

「うーん3日目は裁判官と言って話してくるんだけどそこで拘留が延長されるかどうか決まるな」

「それはこの留置所にいるかどうかってことですか?」

「そう。運が良いやつは明日で釈放されんよ」

「え?じゃあここから出れるんですね」と僕はやや喜び気味に言った。

「だけどよーお前のやったことって傷害だろ?傷害ってことは相手と示談しないと普通は出してくれねえよ」

どうやら最近は暴力沙汰には厳しくなっているため、簡単には出してくれないらしい。だけど僕はもしかしたら出してくれるかもしれないということに望みを持つしかなかった。2日目で疲れたからかこの日は自然とまぶたが閉じていった。寝る前に小学生みたいに神様ここから出してください。一生のお願いですとやろうかなと思ったが、もういい年をしているからやめた。物事全て自分の意志の届かないところで決定していくのだ。ただその起きてしまった現実を受け入れるしかない。

「起床~~~~」

2日目と同じく警察の野太い声で目が覚める。番号を点呼し部屋の掃除をして朝食を取る。その後は運動する時間があったが今日も2日目と同じく東京地検に行く必要があったため早めに着替えてまた護送車に乗り込むことになった。その時昨日と同じように若い茶髪の19番と呼ばれている兄ちゃんがいた。

昨日は19番も不安そうな顔をしていたが僕も彼も3日目ということで慣れてきたのだろう。落ち着いているように見えた。護送車に乗り込んでまた昨日と同じ説明を受けてあちこちの警察署から留置されている人をバスに乗せて東京地検に向かうことになった。

この日は何故か昨日と少しルートが違い途中で後楽園遊園地が見えた。ここで彼女と何度かデートをしたことがあるなと思うと急に心に辛いものがこみ上げてきたが、この付近で乗ってきた人でその感傷は消えてしまった。

「あ~すいませんトイレ行きたいんですけど無理ですかね?」そう脳天気に言ったのは明らかに老人だった。普通なら警官に我慢しろと言われるだろうが相手が老人だからだろうか警官もどうするか少し話し合っていたら次の警察署でトイレに行く許可が降りたらしい。老人は次の警察署でトイレを済ませ「皆さんすいませんね」と謝っていた。正直半分ボケてるんじゃないかと思っていたが、こんな老人でも捕まるんだなと少し感心していた。

老人の途中でのトイレ下車があったもののまた昨日と同じく検察庁に入り、ムカデ人間のように腰縄でつながれて同行室に入ったあと裁判所に行く必要があるため再度バスに乗り裁判所に向かった。同じ敷地にあるからかバスで1分もかからないで着くことになった。

裁判所に入ると受付のような場所に入れられるが、昨日の検察庁と比べると椅子は木で出来ていないし(確かプラスチック)、トイレは扉がついてるものもあったり雰囲気もどことなく昔の教習所みたいで少し落ち着くことができた。そしてここも教習所みたいなのだがテレビが置いてあり、起訴される場合や拘留延長が決まった人向けだろうか延々と似たような内容のビデオが流されていた。

座るとしばらくして正午になったからか昨日と同じようにコッペパンとジャムの入った昼食をとることになった。確かこの時は飲み物は牛乳のストローで飲むパックだったのを覚えている。昨日は狭い檻のようなところに閉じ込められていて閉塞感があったが、この日は裁判所でゆったりと座れたためかあたりを確認する余裕があったため周囲の人間とかを観察したりしていた。昨日の検察の同行室と違い全体的に人数が少なくちょくちょく呼び出されるためか、横に座る人が何度か変わっていた。

最初は横に座っている人はいなかったが、しばらくして横に座った20代くらいの人は起訴されるのか裁判があるのだろうか書類のようなものを大事そうに持っていた。そして何故か流されているビデオの内容を見てしきりに頷いていた。彼がトイレに行ったあいだにこっそり見ようかと思ったが、こんなことで警官に叱られるのも嫌だなと思って我慢することにした。

大事そうに書類を持って座っていた彼が呼び出されてしばらくすると横に珍しくスーツを来ている中年くらいの男性がいた。見た目もビジネスマンらしく何故捕まったのか気になったくらいだ。こちらがジロジロ見ているのに気づいていただろうが、こんなところに捕まるやつと関わりたくないと思っているのか完全に無視をされたのを覚えている。

また全体的に若い人もいたがほとんどが年を取った老人ばかりだったのが印象的だった。昔刑務所の高齢化が進んでいるという記事を見たことがあるがそれをまざまざと肌で感じ取ることができた。そして彼らに共通していたのは犯罪をした悪というより、社会のルールを守れなかったダメな人という空気が出ていた。悪という言葉を使うのが申し訳ないようなダメでお金を持っていなさそうで、実社会だと関わりたくもないような人ばかりだった。逮捕される人というのは偏見を持つわけではないがやはりそれ相応の理由があるんだなと自分を棚に置いて考えていたら、順番が来たのか自分の警察署名と番号を呼ばれて行くことになった。この時もしかしたら釈放をしてもらえるんじゃないかという気持ちと拘留延長をくらったらどうしようかという気持ちとまた裁判官はどのようなことを聞くのかという気持ちが色々混ざり緊張していたのを覚えている。

警察に連れて行かれ裁判所の奥を進んでいく。呼び出された部屋は裁判所だと聞いたから法廷のようなものだと思っていたが、いくつか小部屋が並んでおり大学の教授が待機している部屋を思い出してしまった。

「失礼します」と警察がドアの前でノックをしたあと入ったら部屋は昨日の検事の部屋よりもこざっぱりとしており殺風景だったのを覚えている。

 

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(法廷参考画像)

 

だけど昨日の検事と違って中にいたのは珍しいことに女性の裁判官だった。しかも結構若い。最初は書記の人だと勝手に思っていたが黒い法衣のようなものを着ており真ん中に座っていたので裁判官なのだと認識した。

「どうぞお座りください」そう女性の裁判官に促され席に座った。何故か僕はT森さんに言われた言葉を思い出していた。

初日寝れなくて同房のT森さんと雑談をしていたとき興味深いことを言ってきた。「検事は女じゃない方が絶対良いぞ」と。

逆に「でも弁護士は女のほうが良い」とも言った。

2つともどういう意味なのか聞いてみた。T森さん曰く基本的に法律の世界は男世界である。法律自体女は少ないし相手にする犯罪者は男の方が多い。すると自然に男に舐められないように女の気が強くなるそうだ。

なるほどと合点がいった。ちなみにT森さんは2日目のシンケン(身柄送検の略)の時、女の検事に当たりひどい目にあったそうだ。

「普通よ男の検事なら言わねえことをズバズバ言ってきやがるんだあいつら。いやーSじゃないと勤まらないね」

MにはたまらないシチュエーションかもしれないがどうやらT森さんはSの女が嫌いらしい。

じゃあ弁護士はなぜ女性の方が良いのか。そう聞くとT森さんは長いあいだ留置所にいたが(追起訴を食らっていることと裁判所が盆で休みのため)その中で一番早く出れたのは女の弁護士に弁護してもらった人らしい。

「それはたまたまその弁護士の腕が良かったからじゃないですか?」そう聞く僕にT森さんは確かにそれもあったかもしれないけど、と前置きを置いてからこういった。

「この手の犯罪って基本被害者も加害者も男なわけじゃん。だから女の弁護士がだな必死に示談をお願いするとやっぱりみんな女に弱いからとりあえず話だけは聞こうかってなるんだよ」

なるほど。と僕はその時聞いて是非とも弁護士は女で検事は男がいいなと思っていた。だが、この日は予想外なことに女性の裁判官だったのだ。恐らくかなり珍しいと思う。

なぜなら基本的に法曹の世界は成績によりどの職業に就くかが決まる。大多数は民間の弁護士になるのだが1部の成績優秀者は検事になることが可能になるらしい。そしてその中でもとびきり優秀な人が裁判官になれると昔学生の頃法学部だった時に聞いたことがあった。

彼女、この女裁判官は見た目も若く昔いたグラビアアイドルのMEGUMIに少し似ていた。胸はMEGUMIほどはなかったがひとつ気になるところがあった。肩が結構出ている少し露出気味の服だったのだ。そしてブラ紐のようなものが肩に乗っていたので正直それがかなり気になってしまっていた。一般的に裁判官は何者にも染まらないという意味で黒い服を着ることが多いのだが、服が黒だからだろうかそのブラの肩紐も黒色で恐らく下着も黒だったのだろう。さすが裁判官は違うなと1人で感心していたら幾つか裁判官に質問されたことをほとんど上の空で聞いてしまっていた。何を答えたのか自分でもあまり覚えていない。この裁判官からの勾留質問が終わり釈放されるものが呼び出されるのだが、当然と言ったら当然なのだろうか自分の番号が呼ばれることはなかった。

そう釈放は却下され10日間に渡る拘留が決定したのである。

僕と検事とヒラリークリントン

留置所に入れられた当初は突然すぎてびっくりして何も考えることができなかったが、床はカーペットであった。そしてエアコンは効いておりトイレは隙間があるにせよドアらしいものがあった。だがここは本当に監獄という文字を彷彿とさせるような場所であった。恐らく昔からあるのだろう。歴史の深さをがのぞき見えるような古臭さと居心地の悪さがあった。

何しろトイレが座っている席のすぐ横にあるのである。しかも扉がない。ここで大便などしたらとんでもない悪臭と不快が混ざるだろう。まだ朝だったためお腹の緩いやつがいたら大惨事になるに違いないと懸念したが幸いにもこの東京地検の檻に入れられたときは大便をする勇者は現れなかった。さすがに皆嫌なのだろう。もしも他人の視線など気にせず平然と大便をするものが現れたらまさに大悪党である。きっとそいつに対するあらゆる呪いの呪詛を思い浮かびそうだ。

さて詰め詰めになるくらい人が入れられた。皆年齢がバラバラだったが個人的な感想を言うと年齢層がやや高めだったのを覚えている。その中で覚えていたのは数人いて1人は年が60代頃だろうか飲み屋で1人で酒を飲んでくだを巻いてそうな親父だった。入る際にどこの場所から来たか警官が連呼するが、この親父は白金台から来たそうだ。

高級住宅地と評判の地名だがどう見ても貧相な親父にしか見えなかった。この親父は何が面白いのか1人でニヤニヤしており「糖尿なのにこんなところに閉じ込められたらかなわんわ」と呟いていた。そしてもう1人は空手でもしていたのだろうか、とてもごつい体をした40代くらいの中年だった。この中年と先ほどの親父は何度か東京地検に来たことがあるのだろうか。たまにコソコソと話し合って見回りの警官に「私語はしないこと!」と注意を受けていた。またどういうルールなのか分からないがたまに違う檻から人が来たりしていた。その中の1人が若い兄ちゃんだったが全身刺青でこれ以上描く場所がないのじゃないかというくらい肌の色がカラフルだった。

刺青を普段まじまじと見る機会がないのと暇だったからこの兄ちゃんの刺青を見ていたら目が合った。ガンでも飛ばされるのかなと思ったらニヤリと笑われたのを覚えている。

この中にいる連中はそれぞれ生い立ちや思想や考えなど違うだろうが一つだけ共通点があった。ルールを破ったもの。悪党ということだ。

自分で言うのもあれだったが正直この中にいるのは辛かった。椅子は固く狭い部屋で大の大人が10人以上閉じ込められ暇を潰すものが何もない。地検にはその日の東京中の逮捕されて2日目のものが集まって彼らが全員検事に取り調べを受けないと返してもらえないのだ。

本当にすることがないからかつて幸せだった思い出を思い出して妄想に浸ってみたが、それでも時間は全然経たず昼にもなっていなかったことに絶望していたのを覚えている。

正午くらいにようやく昼飯が来た。取り調べの時に渡されたコッペパンとマーガリンのジャム、そして白湯だった気がする。本来ほかの人の体験談などを見るとこの際は手錠を半分外して片手錠で食べれると書いてあったが、何故か僕の時は手錠をしたままであった。

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手錠というものは思ったより頑丈で、待っていて暇なときにもしや自分には本当は隠された力があり能力に目覚めた僕はこの手錠を見事に引きちぎることができるという妄想をして思い切り手と手を引っ張って見たがもちろん引きちぎれることはなく頑丈さだけを思い知った。長年の工夫を重ね人を拘束するために作られた道具なのだろう。

ただ僕は手首が細いこともあり輪っかの部分を外そうとしていたら本当に外れかけて焦った記憶がある。たまに僕みたいに遊んでいる奴がいたのか手錠を締め直されて辛そうな表情を浮かべているのを見た。

さて手錠で遊んだり妄想に浸ったりしていたら「○○警察署18番!」と僕がいた警察署と番号を呼ばれてようやく出ることになった。出る際は当たり前だが腰縄をつけて前後に警察がついてきて無機質な廊下を歩いたり検察室は上階にあるのだろうかエレベーターで上の階まで連れて行かれたりした。検事調室に入ると書記?のような女性とメガネをかけたいかにも生真面目そうな男が座っていた。どうやらこの生真面目そうな男が検事だそうだ。検事の机の向かいにあるパイプ椅子に座りこの忌々しい手錠が外された。
となりには連行した警察官が1人腰縄を持って座ってた。そして検事に取り調べを受けることになった。

最初の警察との取り調べで送った文章が検事にも来ているらしく、内容は大体把握していたようだ。そして殴ったという事実を僕も認めているためここはスムーズに進んだ。

その際駅の防犯カメラで僕が走っているところを見せられ僕かどうか確認されたがかなり鮮明に写っていてびっくりしたのを覚えている。

だが1点検事が納得いかないらしいところがあったらしくそこを厳しく突っ込まれることになった。

「このさあ、電車の中で殴られそうになったから君が殴ったというのは嘘でしょう。本当のことをいいなよ」

「いや、本当でして酔っていたのもあり相手が恫喝してきたので殴られそうになったから手が出ました」

どうやら正当防衛の可否について検事は聞きたいようなのだ。正当防衛と障害は似ているようで大きな差がある。事件の内容的に起訴されることは少ないが、もし起訴されることになればここが裁判の争点になるのだろう。だから検事はここは何が何でも正当防衛を認めさせたくなかったらしい。

「僕がさあ、例えば君の知り合いかなにかだとする。それで世間話でそう話されたらなるほどなとは思うよ。でも仕事として聞いたならそれは納得できやしないよ」

ごもっともである。恐らく僕が検事の立場でも同じことを言うだろう。だが、それと同時に正当防衛というのは思った以上に認められにくいことがこの時分かった。

「いや、だからこの日はお酒を飲んでおりまともな思考が出来なかったためこのような行動に出たんですよ」

正直殴られたという相手は必要以上に恫喝をしたのは事実だしそもそも最初にわざと人の腹に拳を叩き込んだのも事実だ。

「じゃあそのお酒を飲んだせいで理性が外れて普段したかったことをしたんじゃないの?」海千山千の悪党と話し合ってきたのだろう。何を話してもこちらが嘘を言っているのではないかと強く疑っていた。疑われてばかりでこちらも腹が少し立ったので屁理屈をいうことにした。

「検事さんの理屈だと飲酒運転で事故をする人は事故をしたいという願望が普段からあるわけなんですかね」

こう言うと検事は少し詰まったような表情を浮かべ「いや君それとこれは理屈が違うでしょ」と少し困惑したように話した。

「いやでも検事さんの理屈だと酔うと人の本性が出るんですよね。じゃあ飲酒運転で事故った人も普段から事故りたく仕方ないんですよね。大変だなこれは」

屁理屈もいいところで時代が時代なら生意気を言うなと袋叩きにあっていただろう。少しの間沈黙が起きたと思ったら検事のデスクの上にある電話が鳴り始めた。

「あ、ちょっと良いかい。失礼」

そう言うと検事は電話を取り誰かと話し始めるがその内容が面白かった。

「うんうん。え?彼は正常に見える?違うんだ。彼はまともに見えるんだが本当は精神の異常者なんだ。何かがあると僕はヒラリークリントンの息子なんですがと言ってそれを人から指摘されると黙ってしまうんだが、本当は精神に異常があると思っている。だから彼には精神鑑定の必要があるからその方向で頼むよ」

そう言うと「いや済まないね君」と言って電話を置いた。正直僕の取り調べよりこの自称ヒラリークリントンの息子と名乗る精神異常者がどのような犯罪をしたのかが気になったのだが、聞いたところで教えてくれないだろうから「いや大丈夫です」とだけ返した。

その後は同じような取り調べを受け少し雑談をすることになったが「いやあ君は話せば普通の人に見えるんだけどね。何でこんなところに来たんだい」とややフランクに話してきた。先ほど檻の中にいたようなニヤニヤしているおっさんや全身刺青のお兄ちゃんと比べると日本語が通じるたぐいなのだろう。この時検事の日々の仕事の辛さが垣間見えた。

時間になったのかもう聞くことはないと判断されたのか檻の中に戻されることになった。

檻に戻るとまた違う顔ぶれの人間がいて目の前に座っていた若い兄ちゃんの着ていたジャージにKEIOと書かれており何でこんなところに慶応大学のやつがいるのだろうか、学歴でもアピールしたいのかなと考えていたらほかの人の取り調べも終わり帰ることになった。

「逆送!!!!!!!・点呼!第○系統、○○署○名→(確認)→○名よしっ!」

朝来た時と同じくらい野太い声を上げる警察が点呼を取りまたムカデ人間の真似をして護送車に乗り込んだ。バスの中を見ると同じ留置所にいる19番もいた。心なしか彼の顔もぐったりしているように見えた。きっと僕の顔も同じように疲れ果てているだろう。時間を見ると17時頃だった。

人生でTOP3に入るくらい長い1日を過ごした。

東京地検に順送と逆送

「起床~~~~」

留置所の朝は早い。留置所に入れられて不安のままあまり寝れなかった僕に警察官の野太い声が留置所に響き渡る。もともと朝起きるのが苦手な僕にとってかなり辛かった。しかもこの日は東京地検に行く必要があるらしい。半分寝ぼけなまこで布団から出るとT森さんが檻の前に正座をしていた。何のことだと思ってみていたら中年の警察官が目の前を歩き始めてまた叫んだ。

「今から点呼を取る!呼ばれたら返事!」

何か映画やドラマで見たことのあるような光景だ。

「21番、14番、25番!!!!」

中年の警察は小気味よく数字の番号を言っていく。するとあちこちの檻の中から「はい!」と元気のいい声が聞こえてきた。

だんだんと僕が入っている檻に近づいて点呼を取るとT森さんが「はい!」と元気よく返事をした。恐らく次は僕の番号だろう。

「18番!」と言われたのではい!と元気よく挨拶をした。

今まで苗字と言うものでしか呼ばれていなかったが、実際に数字で呼ばれると変な気持ちになる。ここでは人権というのが制限されているのだとよくわかった。

点呼のあとはT森さんが檻の掃除をし始めたので僕も布団の片付けなどをした。思えば自分の部屋はベッドなので布団をたたむのも合宿などで行った時以来だ。片付けが終わると警察が檻を開けてくれたのでそのまま布団をたたむ倉庫?のようなところに行き布団をしまった。

日中は布団は檻の中には敷かないらしく夜にしか布団を入れないそうだ。このあと食事があり休憩があったが、「今から東京地検に向かうから18番は準備をしろ!」と警察に言われたので休憩をする間もなく服を着替えて出かける準備をした。出る前には準備室のようなところで手錠をはめられた。

出かけるときに僕ともう一人の茶髪で落ち着いた印象を与える若者(僕より若そうに見えた)と紐でつながれて移動をすることになる。この若者の番号は19番だったからサッカーだったらいい相棒になれてたかもしれないなあと思いながら、留置所から抜け出て警察署の外に出ることになった。

警察署の外に出ると複数の警察官たちと一緒に見覚えのある乗り物があった。

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一般に言う護送車というやつである。小さい頃乗り物が好きだったから母親に「あのバス変わってるね乗ってみたい」と言うと「あれは悪いことをした人が乗るものだから乗っちゃダメよ」と言われたことがあったが、まさかこのような形で乗る羽目になるとは夢にも思わなかった。

バスの中に入ると古いバスを改造したのだろうか、エアコンがほとんど効いておらず窓があかないように格子がかかっていた。その中に警察に誘導され席に座った。19番の人はバスの入口のあたりに座り、僕は奥の方に座ることになった。

「それでは今から出発する!バス内は、会話は禁止!目での合図等も禁止、
足を組むのもやめるようにお願いします!」と車内での説明をした。やはり護送車は厳しいルールがあるらしい。

見張りのガラガラ声の警察が説明をしたあとバスは出発をすることになった。この時点で朝の8時前くらいだったのを覚えている。

最初このまま東京地検に向かうものだと思っていたがどうやら違うらしく複数の警察署を周り同じように留置所に入れられている人を中に入れ東京地検に向かうそうだ。

そして捕まった警察署によってエリアが違うらしくある警察署に着くと僕の住んでいる池袋の警察署にも止まったりした。

働いているとき朝に警察署の裏側を通ると護送車が出たりしていたがこういう意味だったんだなと感心していたらバスに外人が乗ってきた。

警察が「何とか~OK?」と英語で会話しようとしていたが、その外人はよく分からないと言った体で首をかしげたりしていて警察の一人が「彼はロシア人だから英語が通じないよ」と言っていて思わぬところで異文化コミュニケーションの空気を感じ取ってしまった。多分だけどこのロシア人は大麻かドラッグでも使ってたんだろうなとヒゲモジャのロシア人を見てぼんやりと考えていた。

外の景色は今までありふれた日常でしかなかったがいざこういう身分になるとどれだけ自分が恵まれていたのかよく分かった。

 それから数十分経ちあちこちの警察署を回ったあといよいよ霞ヶ関にある東京地検につくことになった。霞ヶ関東京地検に着くと、駐車場でバスを降り、建物に移動をすることになった。その際だけど逃げ出さないようにか腰縄と手錠を何人もの連れられてきた人を結び地下二階まで移動をすることになった。

大の大人が何人も紐でつながれて移動する光景は小学校の時にやらされたムカデ競争を思い出して多分傍から見たらユニークだろう。もちろん繋がれている本人たちは不愉快極まりないが。僕はその時昔見たB級映画で有名なムカデ人間をその時思い出していた。

その中で日本人の北村昭博が演じていていきなり3人1組に体を改造され気づいたあとの罵倒のセリフを思い出したが、もちろん私語は禁止なので何も話すことができない。

建物に入ったら、通路の壁に沿って歩きエレベーターで降りて同行室という部屋に移動をすることになった。もちろん周囲は脱走禁止なのだろうか高い塀に囲まれており逃げようという気にすらならなかった。

また人数確認をする警察官たちは皆屈強でこりゃ暴れても取り押さえられるなと思うとおとなしく従わざるを得なくさせられる。
ムカデ人間のような体勢である部屋に入ったところ屈強な警察の一人が

「順送~~~~~!!!!!!」と野太い声で叫んだ。どうやら検察に送致をすることを順送、検察から警察署に戻ることを逆送と言うようだが、突然築地の競りのような声を出されたから少しびっくりしたのを覚えている。

部屋に入ると、左側にずらりと鉄格子の部屋が並んでいた。
右側にはアクリルで囲まれた市役所のような事務スペースがあり。中央の通路に赤い線が引いてありそれをまたぐように並んでいく。
そして腰縄が抜かれたら前方の長椅子で待機をしていた。この時点でまだ朝の10時くらいだったのを覚えている。
そして裁判所へ行く者区検へ行く者、地検調べの者、と署名・番号を呼ばれ部屋を割り振られる。部屋はもちろん檻の中だ。

中の檻に入るとの駅の待合室のような硬い木のベンチがあった。向かい合わせで、最大12人が定員だがかなり狭かったのを覚えている。
奥には一段高く洋便器と洗面台が左右に振り分けられてありトイレは周囲から丸見えの状態だ。そんな1昔前の監獄のような場所に突っ込まれて、昨日寝る前にT森さんの「次の日はきついけどまあ頑張れよ」と言われた意味がようやくわかった。

この何もない硬い木の椅子の檻の中で丸一日過ごさないといけないのである。

 

更新再開

 最近また警察のお世話になったりしたので更新を再開します。むしゃくしゃしてやってやる。

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