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留置所黙示録

2014年3月末日児童ポルノ買春及び児童ポルノ法違反で家宅捜索されました。書類送検されたあと8月某日に傷害で逮捕されました。トップ絵はクジラックス先生からもらいました。※なお当ブログは犯罪の抑止のためのブログです※

人はなぜ捕まるのか

今回の話は人は何故捕まるかだ。

まあ悪いことをしたら捕まるというのは当たり前だが捕まるには必ずしも何かしら理由がある。それでこの理由というのは文字通り人それぞれ違う。留置所に入っている間に同じ房の人から聞いたもの、少し面識のあった人などから聞いたものでも、オレオレ詐欺、違法ドラッグ、窃盗、傷害、恐喝、食い逃げとヴァラエティに富んだものだった。

かつて今は解散したSMAPという国民的アイドル集団が世界に一つだけの花というのをリリースしたとき歌詞の中で「みんな違ってみんな良い~」みたいな歌を歌っていたけど留置所に入る人にも同じことが当てはまる気がする。ただNo.1を目指してしまったらそれこそ何年も外の世界に帰って来れなくなるから何事も程々が良いと思う。

その中でいくつか聞いた物の中で覚えている犯罪を書いていきたい。

ケース1

オレオレ詐欺

僕が留置所に突っ込まれた時から隣に2人組の男が入っていた。この2人はとても仲がよくわざと一緒に捕まったんじゃないかと思うくらいよく雑談をしていた。その1人がどうやらオレオレ詐欺で捕まったと聞いた。もう1人も何かの罪で捕まっていたが忘れてしまった。

誰を騙したのか聞いていないが昼間留置所で暇しているとき、隣で2人組がじゃれあっている声が聞こえてきた「お前またそうやってお婆ちゃん騙すんだろ」どうやらお婆ちゃんを騙していたらしい。ちなみにこのやり取りは2人のあいだでの鉄板(固い、すべらないの意味)のネタらしくたまにこの声が聞こえてきた。

ある朝、留置所では20分ほどの運動時間がある。その中でひげそりをしたり爪切りをできるが皆特に何かするわけでなく漫然とストレッチをしたりしていた。基本的に留置所にいる警官は留置課にいるので刑務官とは違う。そのためフレンドリーな人が多くこちらが問題を起こさなければ割と物腰は柔らかかったのを覚えている。

その内の1人の警官が「そういえばお前何でお婆ちゃんばかり騙したんだ?」と2人組の男に聞いた。するとこう答えた。

「いやー別にお婆ちゃんばかりじゃないんですよ。お爺ちゃんとかもいたんですけど基本的にお爺ちゃんは何かあると周りに確認するんですよね。でもお婆ちゃんだと周りに確認しないで振り込んでくれたんです。だからお婆ちゃんばかりになったんですよ」

どうやらお婆ちゃんの方が何かあるとすぐに金を出してくれるらしい。これから先困ったらお婆ちゃんでも騙そうかなと思ってしまった。

ケース2

違法ドラッグ

留置所に入った時初めて聞こえた声があった「葉っぱカッター!葉っぱカッター!」

そうポケモンの技である。この時は薬でもしているのかなと思っていたが後で聞いたところ違法ドラッグで捕まったそうなのであながち間違ってはいなかった。このお兄ちゃんは見た目もまだ若く20代半ばそうだった。仕事は何をしているのかと聞いたら「ペンキ屋で内装していて一人親方です」と言っていた。このペンキ屋の兄ちゃんは違法ドラッグをよく使っていたそうでそのまま運転をしていたら事故(物損のみ)を起こし丁度、違法ドラッグが問題視されていた時期だから捕まったそうだ。同房にいたT森さんに「でも彼何で違法ドラッグして運転したんでしょうねえ」と聞いたところ「俺はよお別に違法ドラッグをしたことはねえんだけど」と前置きをした上でこう語ってくれた。

どうやら違法ドラッグをすると視覚や感覚が敏感になる。その状態でドライブをすると高速で光の塊が見えるようになるからハイ状態になれるそうだ。文字通りランナーズハイならぬドライバーズハイである。ただ当然のことながら感覚が敏感にはなるが酔ったような気分にもなるため事故率が半端ない。たまに違法ドラッグを決めて捕まる人もいるが理由は概ね上記のものらしい。

ただこのペンキ屋の兄ちゃんは人当たりもよく僕が検察に行く時も「グランドライン一緒に行きましょうね!」とエールを送っていた。ちなみにグランドラインは何のことなのかと聞いたら、東京拘置所のことだった。確かに大いなる場所ではある。日頃からめちゃくちゃ明るかったため警官に「お前まだ本当は薬持ってるんじゃないか」と軽口を叩かれていた。だから僕は「何でそんなに明るいんですか?」と聞いてみた。こんなところいてよく明るく振る舞えますねと。

するとこのペンキ屋の兄ちゃんはこう言った「空元気に決まってるじゃないですか。寂しいに決まってますよ」このペンキ屋の兄ちゃんだけ独房であったためたまに見かけるときは一人で横になっているのを見かけた。恐らく根はいい人なんだろう。聞いたあとこうも言われた「だから18番さんも一緒にグランドラインに行きましょう!みんなで行けば寂しくないですよ」

幸いなことに僕だけグランドラインに行くことはなかった。ただ2年も経った今でもあの時本音をぽろっと語ってくれた彼のことをたまに思い出す。

ケース3

窃盗

同房にいたT森さんである。T森さんはシャブの密売、SMクラブの経営などしていたことが有り豊富な経歴を持っていたが、近年は金に困ることになりよくゲーセンの置き引きをしていたそうだ。

ただ今までほとんど捕まったことがなく(話を聞くとだいぶヤクザまがいではあった)が本格的に捕まったのは今回が2回目だったそうだ。2回目というのは何故かというと1度捕まったことがあるそうなのだが、取り調べを受けているとき気胸が破裂したらしく緊急入院をしたそうだ。それで入院の際でも取り調べが続くため刑事が「治ればまた取り調べをするからな」と言われていてその時自暴自棄になって自分で治療中の管を抜いて脱走をしたそうだ。「それでその時大丈夫だったんですか?」と聞いたら「ん、何か肺が片方ヘコんで今でも触ればへこんでるのわかるけど何か命に別状はなかったみたいだ」と言われ人の生命の強さを知った。

ちなみに女検事に取り調べされているときこの脱走した件も聞かれ理由を話したところ「そうなんですか」としか言われなかったそうだ。ただT森さんは複数のゲームセンターで置き引きをしていたことと取り調べがお盆なのもあって判決が長引きかれこれ2ヶ月近く留置所にいるそうだ。そのため中にどんな罪で捕まった人がいるのか色々聞くことができた。

ケース4

集団恐喝

僕と同じ時期に一緒に留置所に入った人がいた。同じ時期に入ったからか僕の番号は18番で彼は19番であった。一緒に身柄送検をされた時に何で捕まったの?と聞いたら「恐喝です」と不敵な笑みを浮かべていたのでやはり留置所はワルしかいねえなと内心恐れおののいたものである。

だが、話をすると見た目は少し怖かったが人あたりが良かったのでせっかくだから「何で恐喝したの?」と聞いてみた。するとどうやら彼の会社が取引先のある顧客の弱みを握ったらしく、その顧客を恐喝することにしたんですと彼は語った。会社ぐるみで恐喝とかすごい会社もあるなと違った意味で感心していたら、その場に彼も社長らと同じ部屋にいたため集団恐喝で捕まったんですと説明を受けた。

「その時殴ったり蹴ったりしたの?」と聞いたら「いえ、本当にその場にいただけです」と19番は言った。じゃあ何で捕まったのかと聞きなおすとこの手の集団での犯罪は全員の口裏が取れないといけないため全員逮捕をする必要があるそうだ。だから集団での暴行、強姦、恐喝のたぐいはとりあえずその場にいるだけでも捕まる可能性が高いためそういった集団と仲良くしないほうがいいだろう。ただ19番の彼の会社が弁護士を雇ったらしく会社が捕まったことは不問にするらしくてそこは羨ましかった。

ちなみにその彼に「留置所から出たら何をしたい?」と聞いたところ「普通に仕事がしたいですね」と言っていてかなり真面目なことが分かった。だから

「じゃあ今回捕まったのは迷惑だった?」と聞いてみたら「本当に大迷惑です」と苦笑いをしていたのを覚えている。逮捕されたことは墓場まで持っていきますよと言っており、こういう風に巻き込まれても逮捕されるんだなと何となく人生の理不尽さとやらを味わった。

ほかにはT森さんから聞いた話では嫁をDVしたがどうやら嫁側がはめたせいで苦労した人の話や

 

もらい泣き (集英社文庫)

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(画像に他意はないです) 

ITのプロジェクトリーダーだったが深夜ランニングをしていたら何となく他人の家のドアを開けてみたところ、鍵が空いていないから入ったところ中の人に気づかれて通報して捕まってしまい建造物侵入罪で捕まったそうだが、中の人が女性であったため強姦目的もしくは窃盗目的で侵入したのではないかと20日間いっぱい拘留された人もいたそうだ。ただこちらの人はリーダーをしていたため会社側も解雇にしないとのことであった。

捕まって送検を終えて面会を終えたあとようやく不安が湧いてきた。会社はこのままクビになるのかということである。そのことをT森さんに聞くと「半々だな」と返事が来た。

理由を聞くと上記のように特別なポジションの人ならば会社は考慮するし、また19番の彼のように会社関係の罪ならば会社はクビにしないとのことであった。「だけどよ俺は今土方してるけど、最近の土方は1日でも無断欠勤するとクビだぜ。」

そう言われると確かに会社がクビにしない理由がなかった気がした。しかも会社都合ではなく逮捕が原因でクビになると次の働き先をどうしたら良いのかとようやく事の重大さに気づいてきた。そんな僕を見てか消灯している留置所の天井を見ながらT森さんがぼそっとつぶやいた。

「ちょっと人を殴っただけ、ちょっと人の物を盗んだだけ本人は軽い気持ちでしでかしたかもしれない。でもよこれだけで人生だいぶ悪い方向に転がっていくもんだぜ」

そう言うとT森さんは布団に寝っ転がって無言になった。T森さんは不眠気味だろうから寝ていないことはよくわかるただもう今日は話したくないのだろうなというのがよく分かったため僕も黙ることにした。無言になってこのまま人生がダメになったらどうしようとあくまでも自分のことだけを考えていた。

この時点で6日目を過ぎていたと思う。

 

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